Q: | 木造で耐火建築物を施工できますか? |
A: | 主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根、階段)を耐火構造とした木造建築物が、2000年の建築基準法改正により建築可能になりました。 これまでに6100棟程度(2018年2月時点)の木造耐火建築物が建てられており、木材をせっこうボードで被覆する「被覆型」による木造耐火建築物が最も多く建てられています。 |
Q: | 木造耐火建築物を設計するためには、どうすれば良いですか? |
A: | 耐火建築物は主要構造部を耐火構造とする必要があります。最も一般的な「被覆型」による木造耐火構造の方法は、主に以下の3通りあります。 @国土交通省告示を用いる方法 告示第861号(平成26年8月22日)、告示第472号(平成30年3月22日)により、平成12年5月30日国土交通省告示第1399号「耐火構造の構造方法を定める件」が改正され、主要構造部が木材の場合の耐火構造の方法が定められました。主要構造部をせっこうボード(規定の各成分の含有率を満たす強化せっこうボード)で被覆することとされています。 以下に各部位の構造概要をご紹介します。
< 間仕切壁 >
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< 外壁 >
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< 柱 >
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< 床 >
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< はり >
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< 屋根 >
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< 階段 >
A業界団体取得の認定を用いる方法![]() (一社)日本木造住宅産業協会、(一社)日本ツーバイフォー建築協会が主要構造部の耐火認定を取得していますので、これらを用いることもできます。設計施工にあたっては各協会主催の講習会の受講が必要とされています。講習会の開催日等は下記で確認してください。 ・木造軸組工法の場合 一般社団法人 日本木造住宅産業協会 http://www.mokujukyo.or.jp/ ・枠組壁工法の場合 一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会 http://www.2X4assoc.or.jp/ 両協会では強化せっこうボードを用いた主要構造部の耐火認定を取得しています。設計施工時は、その認定内容を遵守する必要があります。詳細は両協会にお問い合わせください。 B個別メーカーの認定(個別認定)を用いる方法 吉野石膏では外壁の耐火構造の認定を取得していますので、これを用いることができます。 また同一建物内に、本個別認定を@Aの方法と混在して設計施工することができます。(但し各階外壁の上端から下端までは何れか一つの耐火構造の方法とすることが必要であり、同一階の途中で他の方法に切り替えることはできません。) |
Q: | 国土交通省告示第1399号「耐火構造の構造方法を定める件」において、下地が木材の場合の防火被覆材で使用できるせっこうボードはどれですか? |
A: | 同告示では、ボード用原紙を除いた部分のせっこうの含有率が95%以上、ガラス繊維の含有率が0.4%以上、かつ、ひる石の含有率を2.5%以上とした強化せっこうボードとしています。また国土交通省の技術的助言「国住指第1785号(平成26年 6月 22 日)」では、同告示に該当することを示す防火被覆として、次のものを挙げています。 @NM-8615「強化せっこうボード」のうち、GB-F(V)(ひる石入り) ANM-1498「両面薬剤処理ボード用原紙張/せっこう板」のうち、せっこう、ガラス繊維及びひる石の含有率が適合するもの 以上のことから、上記告示および@に該当する製品は「タイガーボード・タイプZ」、上記告示およびAに該当する製品は「タイガーボード・タイプZ-WR」となります。 |
Q: | 外壁の屋外側や床等の防火被覆せっこうボードは雨水に濡れてもよいですか? |
A: | 施工中に一時的に雨掛りとなる箇所の防火被覆には、強化せっこうボードに防水防カビ性能を付加した「タイガーボード・タイプZ-WR」(不燃材料認定番号:NM-1498)を使用してください。 尚、「タイガーボード・タイプZ-WR」を使用した場合でも雨天時の施工は避け、外壁の屋外側にこのボードを使用した場合は施工を始めてから2週間以内に透湿防水シートを施工してください。 タイガーボード・タイプZ-WRを使用する理由 国交省住宅局建築指導課は本告示の施行にあたり、以下のような考え方を示しています。 耐火構造の構造方法を定める件(平成12年建設省告示第1399号)の一部を改正する告示案に関する意見募集の結果について 平成26年8月27日
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Q: | 吉野石膏で認定取得している木造外壁耐火構造を教えて下さい。 | |
A: | 弊社で取得している木造耐火構造は、外壁のみで、現時点(2018年3月時点)では、 以下の3工法です。 ・タイガーモエンEX−B1(枠組壁工法) ・タイガーモエンEX−B2(木造軸組工法) ・デラクリート仕上げ外壁耐火システム(枠組壁工法) |
Q: | 外壁の仕上げを木材とする木造耐火構造を教えて下さい。 |
A: | (一社)日本木造住宅産業協会、(一社)日本ツーバイフォー建築協会が仕上げを木材とした耐火構造の認定を取得していますので、そちらをご確認ください。 |
Q: | せっこうボードを防火被覆材として木造耐火建築物(「被覆型」による木造耐火建築物)を設計施工する場合の留意点を教えて下さい。 |
A: | 火災時のみならず、火災終了後も主要構造部の木材が焦げないことが必要となり、告示第1399号第一にも「防火被覆の取り合いの部分、目地の部分その他これらに類する部分を、(中略)当該建築物の内部への炎の侵入を有効に防止することができる構造とするものに限る」とあります。 従って、防火被覆材であるせっこうボードが「ひと筆書き」に連続するよう設計施工することが基本的な考え方になります。そして上張りと下張りのせっこうボードの目地が重ならないように施工する必要があります。 また開口部(サッシ廻り、ダウンライト等)や貫通部(換気扇等)からの炎の進入を防止できる納まりとする必要もあります。 詳細は(一財)日本建築センター発行「木造耐火建築物の防・耐火設計マニュアル −大規模木造を中心として−」等をご参照ください。 |
Q: | 木造耐火構造の建築物において、LGS(軽量鉄骨)を使った非耐力の耐火間仕切壁・耐火遮音間仕切壁を使用できますか? |
A: | 床や壁などの木造の主要構造部分の耐火工事を完成した後に軽量鉄骨(LGS)を組んで耐火間仕切壁を使用することができます。 |
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