《デラクリート》とは

《デラクリート》は、1980年代初めに世界最大の石膏ボードメーカー、USG社(米国)により開発された、無機軽量骨材入りポルトランドセメントモルタルを芯材に、両面にガラス繊維ネットを埋め込んで補強したセメント系ボードを基材とした外・内壁材システムです。 日本では、1990年に国土交通省(旧建設省)が新素材、新材料の研究を推進するために設置した「総合技術開発プロジェクト」において、物性、防火性、耐水性、耐久性、施工性などあらゆる角度から研究を行った結果、《デラクリート》は各種性能に優れた、日本の気候風土や住環境に最適な新材料であるとの結論を得ました。また、2000年に施行された「品確法」の住宅性能表示項目(関連項目)の耐火・省エネルギー対策・劣化対策における最高等級の取得にも対応できます。 《デラクリート》は、仕上げ材に対する自由度が高く、塗り物からタイルや擬石などの貼り物まで各種仕上げ材との組み合わせができます。また曲面加工や通気構法にも対応可能な、オールラウンドな壁材です。
 

無目地の大壁を実現

デラクリート セメントボードシステムは、910mm×1820mm(または910mm×2000mm)のセメントボードを継ぎ合わせて施工しますが、専用のガラス繊維テープで継ぎ目を補強して、専用ベースコートで下地調整をする、半乾半湿の工法ですから目地のほとんどない大壁にすることができます。
 

高い仕上げの自由度

デラクリート セメントボードシステムは、半乾半湿工法ですから各種湿式系塗り材はもとより、タイル、擬石などの張り材による仕上げにも対応します。また同じ壁面上で塗り材とタイル、擬石などを組み合わせることも自在です。
 

すぐれた耐クラック性

セメントボード内に発生させるマイクロクラックにより、外部応力をボード内部において、ある程度分散・吸収させることで、目地部およびモルタル面への応力の集中・伝達を少なくし、クラックの発生を著しく低減することができます。
 

加工が容易・曲面も可能

デラクリート セメントボードは、丸鋸で簡単に切断できるので、ボードの重ね張りなどにより隅石、要石、飾り縁などのデザインが比較的容易に行えます。また可とう性に富んだしなやかな特性をもっていますので、最小曲げ半径2.4mまでの曲面壁を施工現場で容易に創出することができます。
 

工期の短縮

デラクリート セメントボードシステムは、極めて合理的なシステム工法ですから、従来の木ずりモルタル工法に比べて延べ作業人員も半分以下ですみ、工期も短縮できます。鉄筋コンクリート造に比べるとはるかに短工期ですますことができます。
■「デラクリート システム」と「木ずり工法」との延べ作業人員比較
工程 デラクリート
システム
(防火構造仕様)
木ずり工法
(モルタル20mm厚)
木造 鉄骨造
張り ボード張り 6 -
木ずり張り - 4
下地調整 目地処理 2 -
防火紙ラスアミ - 6
下塗り     8
中塗り 5 9※ 8
上塗り     4
延べ人数 13人 17人 30人
(注)東京I工務店の施工実績例(外壁総面積151m2)
※鉄骨造の中塗りには、スタンダードメッシュ伏せ込み工程が含まれています。
 

塗り壁で通気構法に対応

デラクリート セメントボードシステムは、塗り壁仕上げにしても、住宅性能表示項目(関連項目)の省エネルギー等級・劣化対策等級における最高等級取得の必須項目である通気構法に対応できます。
 

木造・鉄骨造にも

デラクリート セメントボードシステムは、木造軸組工法やツーバイフォー工法など木造の個人住宅から、鉄骨造の店舗、商業建築など地上3階建て相当までの多様な建築スタイルにお使いいただけます。
 

耐水性・耐久性

デラクリート セメントボードは、無機系の材料で構成されていますから、 吸水しても膨潤・軟化・層間剥離などを生じません。また耐候性にすぐれ、広い範囲の温度や湿度の変化、 風雨、凍結融解に高い耐久性を発揮します。
 

外装・内装に対応

デラクリート セメントボードは、外装だけに限らず、内壁・床・天井間仕切り壁の不燃下地として、さらに、湿度の高い浴室・キッチン・洗面室・トイレなどの水回りなどの下地材として、優れた性能を発揮します。
 

ゼロアスベスト

発ガン性物質のアスベスト(石綿)を含有していないので、工事をされる方も、住まわれる方も安心してお使いいただけます。

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