1.デラクリート セメントボードシステムの適用範囲

●木造または鉄骨造の地上2階建てを標準とし、地上3階建て以下でかつ高さ13m以下の建物に適用してください。
●一般地域・寒冷地域共に適用可能ですが、下地に規定以上通りの胴縁を用い「外壁通気構法」とすることを前提としています。

2.木造下地および胴縁の設計(胴縁間隔の算定)

●木造下地は、通気胴縁を確実に取り付けられるよう、柱(間柱、管柱、グリット柱等)の間隔を通気胴縁と同位置の455mm以下としてください。
●胴縁間隔は、ボード(パネル)の許容荷重から決定されます。外壁では風圧力を考慮し、胴縁間隔を算定します。
●デラクリート セメントボードの胴縁間隔は、455mm以下とします。
●木造下地の柱組み図

3.鉄骨下地胴縁の設計

●必ずC型鋼などで下地胴縁を設けてください。躯体の柱や梁に、直接デラクリート セメントボードを留め付けないでください。
●胴縁間隔は455mm以下とし、デラクリート セメントボードのジョイント部の胴縁は、施工上ダブルまたはW=75mm以上の角パイプなどで組んでください。
●胴縁材(C型鋼など)のたわみの許容変形は塗り仕上げの場合1/240以下、張り仕上げの場合1/360以下を基準とし、仕上げ材の設計基準と比較して安全側の設計をしてください。
●層間変位は1/180以下としてください。
●鉄骨造下地胴縁組み
●適切な胴縁の配置
出隅部や開口部から、3本は連続してセメントボードがジョイントできるように配置してください。
  ●不適切な胴縁の配置
出隅部など胴縁一本に幅の狭いセメントボードを張らないでください。ボードが暴れやすくクラックの原因となります。
添え柱図解 添え柱図解 座堀り納め図解
●木造の入隅部の添え柱 ●鉄骨造の入隅部の添え柱 ●ボルト類の座堀り納め

4.曲面壁の設計

●曲面部の最小曲げ半径は、胴縁面で2,400mm以上です。
●デラクリート セメントボードの縦横比を1:2換算として張り付けます。
●ボード切断前に、デラクリート セメントボードを曲げ方向に合わせて軽くたわませると、曲面に馴染みやすくなり、張り付けが楽になります。
●間柱間隔は右図のようにしてください。
曲げ半径(mm) 間柱間隔(mm)
6,000以上 455以下
2,400〜6,000 303以下
2,400未満 施工は推奨できません
曲面施工/木造 曲面施工/鉄骨造
●曲面施工/木造 ●曲面施工/鉄骨造

5.伸縮目地の設置

●タイル貼り仕上げの場合は、縦横とも4.9m以内に、塗り仕上げの場合は、縦横とも 6m以内に伸縮目地を設けてください。
●異種壁面、天井などの境目や、同じ壁面内で構造が変わるところにも、伸縮目地を入れ、縁を切ってください。
●また木造3階建ての場合には、3階の階床部に、鉄骨造の場合には、2階、3階それぞれの階床部に伸縮目地を設けてください。
曲面施工/木造 曲面施工/鉄骨造
●フィニッシュ仕上げの場合の
 伸縮目地のシーリング打ち/例(1)
曲面施工/鉄骨造
●伸縮目地の設置例 ●フィニッシュ仕上げの場合の
 伸縮目地のシーリング打ち/例(2)

6.木造メーターモジュール下地および胴縁の設計

●デラクリートセメントボードには、尺モジュールボード(910×1,820mm)に加えて、メーターモジュールに対応するセメントボード2000(910×2,000mm)を用意しています。
●木造メーターモジュール(スタッド間隔500mm)に使用する際は、尺モジュール(スタッド間隔455mm)と同等の面剛性を維持するために、補助胴縁の取り付け、またはスタンダードメッシュ伏せ込みのいずれかの施工方法を採用して、面剛性を高めてください。
補助胴縁の取り付けの場合
●スタッド間隔500mmの中央に、幅30mm以上の補助胴縁を入れて、構造用合板にしっかりと留め付けてください。
●その他の施工方法は、木造尺モジュールと同様です。
補助胴縁の取り付けの場合図

スタンダードメッシュ付せ込みの場合
●セメントボードを留め付けるスクリューの間隔を150mm以下にしてください。
●全面にスタンダードメッシュを伏せ込み、ベースコートの塗り厚は3mm以上確保してください。
スタンダードメッシュ付せ込みの場合図
鉄骨造の場合
●尺モジュールと同様に、スタッド間隔は455mm以下に配置してください。
 

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