株式会社 アシスト 様
第十二回 株式会社アシスト 様
永らく吉野石膏の商品をご愛顧いただいている
お取引先様のお気持ちを“吉野愛”という言葉に
置き換えて、そのお心をお伺いに回る
タイガーくんの“吉野愛”をたずねて。
お仕事への思い、商品への思い・・・。
さて、どんなお話が飛び出すでしょうか!?
企業プロフィール
会社名 : 株式会社 アシスト 様
住所 : 愛知県豊川市御津町御幸浜一号地二番二六
代表者 : 代表取締役社長 松井 光雄 様
会社設立日:平成7年(1995年)2月1日
事業内容 : 軽鉄、ボード、クロス、床、耐火被覆(マキベエ)、発泡ウレタン吹付工事
URL : www.s-assist-r.com
第12回のお客様は、愛知県豊川市御津町にある
株式会社 アシスト 代表取締役社長の松井光雄さんです。
工業地帯にドンと建つ大きな建物。
ここに何か秘密がありそうです。
タイガー)早速ですが、こちらの大きな建物は倉庫?でしょうか。
松井社長)はい。この大きさの倉庫を持っているところってなかなか無いですよ、ってぐらい大きいでしょ(笑)?弊社の大きな特徴である「プレカット」をするために作ったんです。うちはここに来る前は100坪の規模で、そこでもプレカットは始めていたんですが、数年前あるホテルの仕事で16万㎡ものせっこうボードをプレカットすることになりましてね、その量ですから加工前と加工後の、資材の置き場にてんやわんやしました。そこで2年前にここを購入したんです。
タイガー)どの現場でも、自社でプレカットをなさっているんですね?
松井社長)「これからはプレカットの時代だ!」と、これを手掛けたのは、実は今から30年も前のことなんです。現場監督から「ゴミが多い」というご指摘を受け、「では、ゴミが出ないようなやり方にしましょう!」とプレカット工法を考え、当時一人作業だったのですが寸法を測り、吉野さんにお願いしてせっこうボードを切ってもらうところからスタートしました。自社で本格的に始めたのはこの3年で、初めは社員から「加工した山積みの材料の中から、使う1枚を探すのが面倒くさい」「寸法が合わない」と総スカン(笑)。当たり前の話ですがプレカットって基準となる採寸が一番大切なところでしょ?ところがびっくりするかもしれませんが現場ってね、図面通りにできていないんです。だから施工図から拾っても寸法が合わない。そのため現場でひとつひとつ職人さんに寸法を拾ってもらうんですね。この作業が大変ですけれども、とても大切なんです。
プレカットを行えば、現場での端材がほとんど無い、作業が圧倒的に早い、職人の腕の差も埋まる、切創事故も減る、工期的にも人工(にんく)的にもメリットが大きいと、良いこと尽くめなので、信念を持ってやっています。一方で職人さんへの手順の説明、現場の所長の協力、さらにはこちらの体制ができないと上手くいかない。関係する全ての方の心を揃えるためには「やるぞ!」という私たちの意気込みが、とても大切なんですね。
<プレカットのための巨大な作業場兼倉庫>
<思いの詰まったプレカット機>
<倉庫に積まれた吉野石膏商品>
<キャリアをお聞かせください>
松井社長)最初はコンピューターのソフトエンジニアの仕事に就いたんです。学部も理系でしたからね。そこでの仕事は「いずれ後継者に」と言われるほど順調だったのですが、なんせ給料が安くて(笑)。家族を養うのに不安があったんですね。その時に兄がやっていた建設会社(松井工業)から声が掛かりまして。コンピューターのような新しい価値を説得しながら売るものに較べて、建設業界は建物が建つたびに必ず内装工事という需要があるわけですから、私には楽に感じました。そして、今から21年前に独立し、このアシストを設立したわけです。
<「吉野石膏」についてお聞きします>
松井社長)吉野石膏さんとは兄の会社で内装工事を始めた時からのお付き合いですね。昔の吉野さんの営業マンはあんまり無理なことをしないで、横綱相撲を取るな、という印象でした。なんせ80%以上のシェアを持つ会社ですからね。
私は他社とのお付き合いをせず「吉野石膏、一本」です。その理由は商品が高品質だから。何を置いてもこれが一番大切ですね。せっこうボードの小さな狂いが現場の作業や、さらには職人さんの気分にまで響いてくる。品質が悪いと同じ技術で張ってもヘタな仕上がりになっちゃいますからね。だから職人さんが他社のせっこうボードだと嫌がります。まぁ、これは笑い話ですが、かつて他社のおひざ元での作業の時に、「それでも吉野さんの商品で!」と強行突破しちゃったことがあって、ちょっと騒ぎになっちゃったこともありましたね(笑)。
タイガー)三河工場ができて、この地域で商品をお納めするスピードも速くなり、加えて商品の精度も向上しました。
松井社長)職人さんは本当に精度にシビアだからね(笑)。吉野石膏さんへのお願いと言うか、できたら良いな、という希望なんですが、吉野さんはハウスメーカーからの依頼ではプレカットをやられていますよね?ところがうちのような案件だと、当然ながら規模の問題でなかなか個別対応が難しいかと思います。だからこのプレカット工法を、「(私たちのような)こんな会社が独自でやっていますよ」、と吉野さんに宣伝して回って欲しいんです。うちの成功事例を見たら、他に興味を示す業者さんも出てくると思います。
プレカット工法の弱点はここから現場までの配送費が追加でかかるということ。それを考えると、どうしても商圏は限られてくる。つまり、その商圏ごとが新しい別の業者さんの市場になるわけです。ノウハウはお教えしますから、それを全国に広めるお手伝いを日本一のシェアをお持ちの吉野石膏さんがやられたら建築業界全体の前進になると思うんですよね。
タイガー)それはお客様目線では、有難いお話かもしれません。ところで、こちらでカットだけをお願いすることはできるのですか?
松井社長)1台で480㎡、機械が2台あるので960㎡が1日8時間作動させた場合のキャパシティなんですね。そこを工夫すれば可能性はありますね。実際に運賃がかかるのにも関わらず桑名、大阪、群馬などからも依頼が来ていますし。まずは木造系の現場からやっていくと安定した仕事になると思います。建築系の方との棲み分けの問題があるかもしれませんが。
タイガー)松井社長が気になる吉野石膏の「機能性せっこうボード」はございますか?
松井社長)カビへの抵抗性のあるせっこうボード、タイプZ-WRはいいですよね。実はある会社から「カビ取りの仕事をやりませんか?」っていう打診があったんです。そこでカビが生えにくい塗料の原料を調べていったら、なんと吉野さんのこのWRに使っているものと同じだったんです。なんだ、だったら最初からこのせっこうボードを使えばいいじゃないか!って、なりましてね。
建築中の雨濡れってどうしてもあるじゃないですか。エレベーター周りの工事の時なんかはね。濡れちゃうと張り替え作業が良くあったんですが、WRになってからは張り替え無しですよ!多少の濡れにも強いのはいいですよね。
他は・・・やっぱりどんどんせっこうボードが軽くなると良いですよね。それとボンドの塗布箇所の目安を21mm面材の裏に付けてくれると、目安ができて有難いです。
タイガー)社長のお目に叶うようなご提案ができますように、さらに研究を重ねていきます。今後ともご愛顧を宜しくお願い致します。
<応接間のFeボードでタイガーくん発見!>
<吉野石膏の営業マンと>
<オフの過ごし方をお伺いします>
松井社長)新しい仕事のやり方やアイデアを考えている時が一番好きですね。とにかくいつも考えることが大切だと思います。1日に1時間考える人と、10時間考える人では絶対に差が出てくるし、前に進む力になると思っています。
仕事関係以外では、ゴルフと釣りかな。ゴルフは、ここ数年はクラブ競技に出るなど年間60回はラウンドしていますし、釣りは尾鷲で年に数回鯛にチャレンジしたり、時には沖縄にマグロを釣りに行くこともあるぐらい好きですね。
<ここから先のお話をお伺いします>
松井社長)1500万円するプレカットに使う加工機を2台買ったことによって、やっと職人さんや社員に私の本気が届きました。「プレカット」は作業の利便性もさることながら、ゼネコンさんや世間様からいただく企業イメージ向上にも効果的。ゴミが出ない、出さない、というのは時代が求めていることですからね。聞いていただければ他の内装工事屋さんに手法をお教えすることも厭いません。ゼネコンさんにもこの工法の「丁寧に寸法を取る、加工をする、納品してから張る」、という手順をご理解いただいて、作業のタイムスケジュールをお任せいただき、どんどん広めていきたいです。
また、会社のことですが、そちらは徐々に専務である息子に譲る形を整えていき、私はさらに「野望」を叶えようかと(笑)。最初、兄の会社に入った時に「20億の会社にしよう!」と、心に決めたんですね。そして今、ちょうどその規模になった。経営者っていうのは野望が無くなったら終わりなんです。これでいいやと思ったら、そこからは下り坂しかない。だから、僕はまだひと踏ん張りして会社を伸ばしたいと思っています。
タイガー)何で伸ばしましょう?
松井社長)その一つは「リフレクティックス」です。これに手を入れてみてください。ね、自身の体温が輻射熱として温かく感じられますでしょ?これを使ったモデルルームを建て、敷地内にて実験中でして、図抜けた省エネと、断熱材が無くても室温を快適に保てるというデータを取っているので、説得力のある営業ができると思っています。
もう一つはプレカットを行う業者同士のネットワーク化を行い、商圏を飛び越えられるような動きができれば、大きなチャンスがあると思っています。
<リフレクティックス>
<同じ2棟の建物で、差を検証する実験棟>
<インタビューを終えて>
この時代で求められている考えを、30年も前から気付き、紆余曲折されながら実用化されてきた松井社長。プレカット工法を推進しておられるのも、人手不足やエコ、廃材問題など、建築業界の問題点を解決できるとの「信念」からの行動です。常に新しく、役に立つことを、多くの方に惜しげもなく伝えようとする姿こそ、最先端なのだと感服致しました。
「次なるアイデアもたくさん創出中!」と、希望に満ちたキラキラした目で、あふれる夢を語る松井社長。
建築業界だけでなく、広く世の中のために、これからもどうぞご活躍ください!