吉野石膏株式会社


杉山産業株式会社 様

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第三十五回 杉山産業株式会社 様

永らく吉野石膏の商品をご愛顧いただいている
お取引先様のお気持ちを“吉野愛”という言葉に
置き換えて、そのお心をお伺いに回る
タイガーくんの“吉野愛”をたずねて。
お仕事への思い、商品への思い・・・。
さて、どんなお話が飛び出すでしょうか!?

企業プロフィール

会社名 : 杉山産業株式会社 様

住所 : 神奈川県川崎市川崎区貝塚1-15-3

代表者 : 代表取締役社長 杉山 徹 様

会社設立日:1950年(昭和25年)12月

事業内容 : 建築資材販売施工・内装仕上げ工事業

URL : http://www.sugiyama-sangyo.co.jp

第35回のお客様は、神奈川県川崎市にある

杉山産業株式会社 代表取締役社長の杉山徹さんです。


取材の準備をしている間も、「この椅子は邪魔ですか?」と自ら片付けられたり、ご自身のネクタイをもう一度締め直されたりと、

気配りに余念がない杉山社長。そのご性格が反映された、丁寧で誠実さ溢れるインタビューとなりました。

<杉山産業の事をお伺いいたします>

杉山社長)私はゴルフが好きでして、最近、須藤潮副社長とプレー後のお風呂でご一緒した時に「吉野石膏という会社は硬いイメージなので、これからは軟らかい部分も意識的に出していかないとなりません」とおっしゃっていましたが、このインタビューもまさにその一環なのでしょうね。しかし、何万社とあるであろうお付き合いの中で、まさかこの私にお鉢が回ってくるなんて思ってもいませんでした。この話が決まってからは、会社中の色々な人から「ちゃんとやるように!」と心配されまして・・・。


 杉山産業は私の祖父が創業し、私で3代目、今年74年を迎える会社です。この社屋の前に大きな道路がありますよね。この道路が実は昔は川でして、創業当時は本社が建つこの場所に材木を載せた船を着ける、いわゆる材木問屋として商いをしておりました。その名残でこの道路の交差点には今でも「〇〇橋」という名前があちこちに残っています。


 昭和25年という昔ですから、その頃はここから川崎駅のホームが見えたと聞いています。うちは川が埋め立てられ、船が着けられなくなったことを理由に材木一本の商いから商売替えをしたのではなく、まさに吉野石膏さんのボードに代表される「新建材」にいち早く着目し、時代に俊敏に対応して商売をシフトしていったという歴史を持っています。施工の仕事を手掛けたのはそれよりもずっと後の、私の父の代になってからのことで、現在は「せっこうボードを張ってください」というご依頼をいただいて、うちの専属同様に仕事を受けていただいている職人さんを派遣し、施工をする内装仕上げの仕事も、会社の柱のひとつとして行っています。・・・今では建材販売より工事の売り上げの方が多いぐらいですかね。


 社員は20名おりまして現場代理人として5人、運転手も含め配送関係に7人、営業マンが3人、そして経理に5人という内訳です。配送があるということは倉庫もあるということで、ここから車で15分ぐらい離れた日ノ出という海の近くで、3tトラック4台が日々稼働しています。自社で配送部門を持つ会社は珍しいと思うのですが、それだけに運送業界に倣った働き方改革が、ここから当社にも求められています。いわゆる「2024年問題」ですが、待遇の改善など、これには誠実に対応していかなければならないと思っています。


タイガー)今、待遇の問題のお話がでましたが、採用などはいかがですか?


杉山社長)うちだけではなく、この業界のどちらもがそうかとは思うのですが、思うように進んでいないのが現状です。入社していただいた方は「同期」と一緒に切磋琢磨していくという状況を作りたいので、毎年複数名を継続して採用することを理想としています。うちの会社では性別や文系理系、新卒既卒など一切不問で、とにかくやる気に溢れた方に来ていただきたいですし、また一個人としてはそういった若い方が日々成長していく姿を間近で見ていたい、いう親心のような、楽しみな気持ちもあります。常日頃思っていることなのですが、社員にはきちんと休んでいただきたい。うちも実績で平均118日ぐらいまで来ました。休みの日なのに頭から仕事が離れないような生活を社員に強いることは、経営者としては望んでいません。遊ぶ時には遊ぶ、きちんとそれを切り替えられるという事は、これからの社会人に求められる素養のひとつかもしれません。しかしながら現場がある業界ですから、なかなか100%の達成は現実的には難しいもの。できたら土日も100%、しっかり休めるように変わっていったら良いなと思います。


 会社が持つ想いや夢などはしっかり発信したいと思っておりますが、これぐらいの規模の会社だと、例えばSNSなどをやるとしても、何を発信していいのか、日々のコンテンツに迷うものなんです。私自身で自社のHPの原稿などを書いてはいるのですが、様々な方法を使って、少しでも私たちの想いが見てくださった方に伝わったら良いなと願っています。


 この会社にとって今、何よりも大切なことは「若い人を採って、育てていく」ということです。私はこれを社内で何度も説明をして、今ではみんなが理解を示してくれるようになっています。若い人の成長をみるのは本当に楽しいことなのですから!

<杉山社長のことをお教えください>

杉山社長)幼少の頃から「いずれは家業を継ぐのだろうなぁ」と、私はこの仕事について薄々意識をしていたのだと思います。大学を卒業して、いよいよ社会人になった時、最初に選んだのは自社ではなく、修業ができる会社でした。私はご紹介を受けて当時日本一の内装工事店と言われていた会社の門を叩き、そこから約7年間勉強させていただきました。将来、内装工事事業を切り盛りする立場になることを意識していた私にとって、大きな現場を持ち、現場のことだけでなくお金の流れまでをも学べる会社は、まさにうってつけの実戦の場でした。そして30歳。先々代の祖父が亡くなる間際に父から「戻ってこい」と言われ、その内装工事会社を辞め、この会社に入りました。今から20年以上前の話です。


 そこから父の下で勉強を重ね、49歳の時に3代目を引き継ぎ、3年2か月が経ちました。もちろん社員も誠実に仕事をしておりますし、何よりも素晴らしいお客様に恵まれているのでお陰様で会社は回っておりますが、「では自己評価するものは?」と聞かれても、私は何も残せていないと思います。私はこの会社で社長として何も成し得ていない。唯一言えるとするなら、若い方を採用できた、ということぐらいでしょうか。私は社長として残りの人生、とにかく採用と人材育成に注力しなければならない、そうしないとこの業界全体の未来が無いぐらいに思っています。幸い、業界には同じ悩みを共有できるお仲間が沢山いらっしゃって、例えばこの「吉野愛」に以前出られていた本田一の関戸社長などは会社のルーツも似通っており、本当の姉弟のようにお付き合いさせていただいておりますので、諸先輩や仲間の皆さんと知恵を出し合っていきたいと考えています。

  • <愛用のゴルフクラブと共に>

  • この歳になると祖父が最期に残した「人生思い通りになることは、一つもないよ」という言葉が頭をよぎることがあり、今、言葉の重みを噛み締めているところです。本当は大好きな建物を世界中旅行しながら、ゆっくり見て回りたい。しかし、経営者の立場になるとお客様のことが頭から離れず、海外どころか数日の国内旅行ですら計画できないでいます。もちろん私も休んでいないわけではなく、スポーツを観たり、ゴルフをしたりしながら、休日を楽しんでいます。ゴルフは真剣にプレーするのが好きで週一ぐらいはやっていますね。スポーツ関連ではかつて本拠地が近かった(川崎球場)というご縁で大洋ホエールズ(現:横浜DeNAベイスターズ)時代からシーズンシートを購入し、応援を続けています。また、最近では地元川崎のバスケットボールチーム・川崎ブレイブサンダースをサポートし、社員の福利厚生や、営業ツールとして活用しています。川崎ではこの先2029年にバスケット専用のアリーナが予定されていて、機運も高まっているので少しワクワクしていますね。

<「吉野石膏」についてお聞きします>

杉山社長)半分冗談、半分本気で思っているのですが、うちの名刺の裏に「吉野石膏」と書いてもいいのではないかと思うぐらいのお付き合いだと自負しています。それぐらい当社の扱いの中で、吉野石膏さんのせっこうボードが占める割合が多いんですよ。うちは吉野グループなんだと勝手に名乗っても、きっと怒られないと思いますよ(笑)。先日、須藤永作社長がわざわざお見えになり、業界のお歴々が一堂に会するタイガー会に「出てくださいね」と言われてしまいました。


 え!?このインタビュー記事もご覧になられているの?「須藤社長!3月12日のタイガー会、楽しみに出席いたします!(笑)」私はメーカーさんとの直口座がある建材商社(マルシン建材)とこの杉山産業、両方の社長を行っているため、会場で知らない方はほとんどいないと思いますし、コロナで疎遠になった方もいますから、本当に楽しみにしております。


 吉野石膏と聞くと、まず思うことは堅実な会社ということですね。歴代の営業担当者も社員教育が行き届いているな、という印象です。特筆して言うなら、うちの担当は歴代女性の方が多いんです。営業に配属になるとだいたい2年目ぐらいでうちの担当になる。まぁ、推測するに「優しい会社」だと思われているんでしょうかね。他のメーカーさんでもその傾向があるようでして、もし皆さんにそう思っていただいているのならばこれは誇らしいことです。


 吉野石膏さんの代表的なせっこうボードはほとんど扱っていますね。耐火の工法も忠実に行いながら用途に合わせて使っています。現場では新しい商品をご提案することも良くあります。例えば学校や病院ならタイガートーンのような話し声がはっきり聞こえる天井はどうですか?といったご提案などをしていますね。特に天井材は性能を維持しながら軽さを追求するのは難しいのでしょうが、職人さんのことを考えると軽さも大切ですね。ハイクリンボードも使っていますが、これもただ張れば良いわけではなく、少し考えれば分かることなんですが、きちんと性能を発揮させるためにはビニールではなくて、通気性のあるクロスを張る必要があるんです。こんなことも現場でお伝えしているんですね。あとはFeボードですね。幼稚園や病院などで使う場所を決めて、「この壁に使ったらいかがですか?」とお勧めをしています。画鋲を使わないから踏みつけ事故が起きないのが良いですよね。それに耐火遮音壁のA2000-WIですね。同じ遮音性能だとコンクリに較べて壁の厚みは約半分、重さは約1/10ですからね。特に建物が軽くなるというメリットは大きいです。

  • <吉野石膏の担当者と>

  • この先、吉野石膏さんにお願いしたいことは商品を作るだけでなく、施工の機械化、ロボット化の推進ですね。夜にセットして帰ると、朝ボードが張ってあるような・・・。ゼネコンさんがテスト中と聞いていますが、お金もかかることなので是非開発している会社などを支援していただきたいですね。あと商品ラインアップが多すぎるので、整理されても良いかもしれません。

     

    タイガー)多くの吉野愛をありがとうございます。タイガートーン関係は準不燃を整理し、不燃商品一本にするなど、社内でも商品ラインアップの精査を進めております。引き続きのご愛顧をどうぞよろしくお願いいたします。

<インタビューを終えて>

多くの素晴らしいお客様に恵まれていることに胡坐をかかず、感謝の気持ちを忘れずに、誠実で丁寧な仕事をお納めする。


杉山社長は「次の仕事の発注は、前の仕事の通信簿が良ければいただけるし、商売とはこの連続なんです、お金儲けだけに走ってはいけないんです」と、松下幸之助さんの言葉「共存共栄」の心を力説されていました。


杉山産業は「共存共栄」の精神で74年。この先、さらに加わる若き戦力たちがその歴史を限りなく繋いで行ってくれると思います。


「おじいちゃん、人生思い通りになることも、少しはありましたよ」と、墓前に報告できる日が来ることを、タイガーくんも願っております!

  • <大切にしている松下幸之助さんの言葉>

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