株式会社ハッコー 様
第四十二回 株式会社ハッコー 様
永らく吉野石膏の商品をご愛顧いただいている
お取引先様のお気持ちを“吉野愛”という言葉に
置き換えて、そのお心をお伺いに回る
タイガーくんの“吉野愛”をたずねて。
お仕事への思い、商品への思い・・・。
さて、どんなお話が飛び出すでしょうか!?
企業プロフィール
会社名 : 株式会社ハッコー 様
住所 : 鹿児島市東開町3-43
代表者 : 代表取締役 新村 喜一郎 様
会社設立日:1992年(平成4年)6月
事業内容 : 卸売・内装工事・Dボート゛製造
URL : https://k-hakko.jp/
第42回のお客様は、鹿児島県鹿児島市にある
株式会社ハッコー 代表取締役社長の新村喜一郎さんです。
内装工事の現場から、ご縁をいただき今のお仕事へ。実直で、優しいお人柄が随所に溢れるインタビューとなりました。
<まずは会社のことをお聞きします>
タイガー)新村社長にお会いした瞬間に「非常に若々しくて、笑顔が素敵な方だなぁ」とすぐに目が奪われ、しかも穏やかなお人柄が溢れるご対応だったので、お陰様であっという間に気持ちがほぐれました。ありがとうございます。
新村社長)そうですか、若く見えるかもしれませんが、とは言えもうすぐ49歳になりますからね。もうそれなりじゃないですか(笑)?。
・・・では、初めにこの会社のことからお話します。自分は2代目なのですが、先代(別府社長・現セイコー相談役)が平成元年(1989年)に、断熱材の内装工事店である「八興技建」という会社を興したのがハッコーの礎です。私はそれを引き継いだのですが、この業界では、しかも2代目ではさらに珍しいと思うのですが、実は先代と私に血縁関係はありません。私は1975年生まれでして、この業界に入ったのは17歳の時。現場での下積みを重ね、21歳という年齢で仲間数人を引き連れて独立し、下請けの内装工事を手掛ける職人として働いていました。
タイガー)先代とはご同業だった、というわけですね。そこからどんなきっかけでご縁ができたのでしょうか?
新村社長)それが不思議でしてね・・・。先代は息子さんも娘さんもいらっしゃったのですが、自分の子どもには継がせたくないという意志をお持ちだったんです。そこで「後継者探し」をされていたんですね。ちょうどそんな時に、同じ現場で、同じ下請けとしてお仕事をご一緒する機会があり、ご挨拶をしたんです。しかし、そこからも現場で会う以外は全く交流が無く、食事すらご一緒しなかったので、相手がどんな方かも知らないまま。「顔見知り」程度の薄っぺらな関係(笑)が、長く続いていたんです。
しかしその間に、私が現場でゼネコンさん相手に切った張った、とやっている姿でも見ていたのでしょうか?どうやら先代からは「若いのに、堂々と亘りあって、しっかりとやり取りをしている」と評価をされていたようなんです。本当に最初2年ぐらいは、ふわっとした世間話だけでして、具体的にお仕事の話はそこから3年間ぐらいかけてですかね、顔を合わせるたびに「違う視線で見たら、この業界ももっと面白いと思うよ。うちにきてやってみませんか?」と口説かれまして(笑)。
ちょうどハッコーは建築材料の販売という新しいジャンルを始めたタイミングで、また、私自身も現場をやり切った感が出始めていた時でした。家族や生活のことを考えると、踏ん切りがつくまでに時間がかかりましたが、33歳になった2008年に決断し、ありがたくご縁をいただいてハッコーに入社することになりました。
<入社されてからのことを教えてください>
新村社長)お世話になってから今日まで15~16年ですが、仕事の変化や、人の問題などいつも難問がつきまとう中、お陰様で、なのですが、1億円無かった売り上げが今では8.4億円とおよそ9倍、従業員も4人から15人と、全て良い方に想像を超えた形になっています。
入社当初は注文いただいた建材の配達や、工事の打ち合わせから始めましてね、私は内装工事の現場で働く職人だったわけですから、半分ぐらいは初体験の仕事で、この勘所を掴むまでは大変でしたね。ただ、苦労を苦労として感じない性格っていうのかなぁ、「踏ん張ってやらなければならない」という追い込まれた感じが良かったのかもしれませんが、その日の仕事を集中してこなしながら、あっという間に時間が過ぎて行く毎日でした。
入社して2,3年経ったときに、現在の福岡の事業所を他社から事業継承することになり、先代が「自分はこの福岡をメインにやるから、新村さんは鹿児島をよろしくね」と言われたんです。自分が舵取りを任されるようになって、まずは業務内容を変えるところから始めました。当時のハッコーは空調などの設備関係の仕事がメインの商売だったため、その頃の建材在庫量は今と比べて四分の一ぐらいだったかな、と思います。施工部門は自社の職人さんによるグラスウールを使った防音工事なども手掛ける一方で、設備部門に関しては私が元々内装の職人で、設備部門に関しては不得手だったため、その行く末を熟考していました。それを察したのか、先代からは「好きなことを、自由にやって良いよ」と言っていただいたので、思い切って設備の工事を減らし、出身母体とも言える内装業界ともっと深くかかわっていたいなという思いを重ねながら、内装に使う建材に関する豊富な知識を活かして建材販売に軸足を移したんです。それが今日まで、積み重ねをしながら至っているんですね。
<タイガーボードのお取り扱い、ありがとうございます!>
始めはせっこうボードを止めるビスなどの販売がスタートでした。小さな仕事から始めた中、後継者問題のお悩みで廃業を検討されていた同業さんから商圏を受け渡されるお話もあり(実際は「濡れ手に粟」ではなかったですが(笑))、少しずつ地道に足場を固めていきました。この仕事をしていると、折に触れお客様の方から「これはできないの」「あれは扱わないの」とご要望をいただくようになり、その都度新たな楽しみとして仕入れ先を探すなどしながら、順調に取扱い高が拡大してまいりました。本当に「お客様に育てていただいているのだなぁ」と、実感するところでもあります。私ね、ちょっと落ち着きが無いと言いますか(笑)、なんか楽しそうな話があると、すぐ首を突っ込むタイプでして(笑)。トライ&エラーの毎日で、まぁ、圧倒的にエラーが多いような気もしますが、きっとそれがいろいろと功を奏しているんでしょうね。
<ハッコーの今、についてお聞きします>
新村社長)売り上げ的には内装建材の卸販売が9割、そして元々グラスウールメーカーさんと近いこともあって、施工店として始めたGCボード(グラスウールの消音)工事が1割です。他に同業のいない工事仕事をすることは、建材販売的には好ましいことで、材料販売しながら工事もやるとなると、どうしても食い合いにならざるを得ませんからね。
うちは大きな総合建材商社さんとでは価格面での戦いとなると不利ですから、利便性など他のアドバンテージを作って仕事をしていくしかないんです。小回り、スピード感に加え「今、すぐ欲しい!」「明日、必要なだけ手にしたい!」という内装のプロとしての自分の勘所を最大限巡らせながら整えた品揃えで勝負しています。断熱材、吸音材、防露材、保温剤、せっこうボードを始めとする内装建材・副資材から電動工具まで、1メーカーさんだとできない「あれも、これも、すぐに、少しずつ」がおよそ2000点を超える様々な建材の在庫を持つハッコーなら、県内多くの現場を循環している自社のトラックを使って、迅速に、しかもご希望の時間に、ご希望の量だけお届けができるわけです。
今、物流問題が課題の中で、このハッコーのシステムは業界でも一目置かれていると思います。そしてただ品物を届けるだけでなく、現場のニーズをつかみ、最適な商材をお勧めできる、現場を知りつくしている営業マンが持つ豊富な商品知識もハッコーの強みなのだと自負しています。本当はもう少し広い倉庫に、もっと多くの在庫を置きたいんです。機能性に優れた商品、これから需要が増えることが想像される魅力ある商品などを、さらに扱いたいですね。
<余暇の過ごし方についてお伺いします>
新村社長)30歳過ぎまでは地域の社会人リーグの選手、そして子どものチームの指導者としてサッカーをやっていましたが、子どもが離れるなど生活環境の変化に伴って、3年前から夢中になってゴルフを始めました。休日ごとにお客さんや妻、親族などと一緒に楽しんだり、また、㈱セイワ柳田社長のご紹介で、こちらの吉野愛で先にご登場された福岡県にあるアオケン株式会社の後藤勝社長とも、良くご一緒していただいております。
このガーミンが優れモノなんです。何と言ってもスコアや飛距離など立体的に全て自動的に記録してくれるのが良いですね。ゴルフはビジネスにも役に立つし、趣味としても最高だし、もっと早く始めたら良かったと思っているぐらいです。近々、どこかのメンバーにもなれたら良いですね。私、飛距離はちょっと誇れるものがありまして、追い風・打ち下ろし参照というおまけ付きとはいえ、320YDなんてこともありました。まだまだ飛ばしたいですね!
<266YDという数字が!>
<全ての記録をガーミンで残されています>
<「吉野石膏」についてお聞きします>
新村社長)吉野石膏さんの関連会社、旭ファイバーグラスのアクリアは、職人さんの手がチクチクしない新素材ですから、これは職人さんファーストの現場であればあるほど大きなアドバンテージで、シェアも増えてきていますね。
吉野石膏さんは設計PRにしてもとてもしっかりされていて、商品力もあり、営業体制やサポート体制も整っている。トータルで信頼できるメーカーさんですので、安心して在庫を入れさせていただいております。ビルダーさんによっては標準仕様にされているように、戸建て住宅ではハイクリンボードが人気ですから、これ、全てハイクリンにしていったらいいのでは、という考えもあると思いますね。戸建てだけではなく、商業施設やビル物件に使っても良いと思うんです。あと木造の耐火構造では防水・防カビ性能が付加されたZ‐WRも良く使われていますね。
私自身が目利きをしますから、新製品は実際に手にしますよ。スーパーハードが出た時などは「なんだこの商品は!」と衝撃を受けました。「こんな硬い、職人泣かせのボード出して!」と(笑)。まぁ、冗談はさておき、これらの商品が全てポピュラーになってきているじゃないですか。これはやはり吉野石膏のしっかりした商品力と提案力だと思うんですよね。
<インタビューを終えて>
お話が進めば進むほど、陽の気が溢れる中で、いつも前向きで挑戦の手を休めない動きと、一方で専門家として小さなところまで繊細に目配りされつつも、全体的には広い視野でお仕事をみておられる姿が随所にあり、先代から白羽の矢が立った理由が分かったような気がしました。
私ども吉野石膏も新村社長のお目に留まるように、これからも商品の開発と、新製品のお勧めをしっかり務めさせていただきたいと存じます。この度は楽しいお時間をありがとうございました!